九州自然歩道は、福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・宮崎・大分の九州7県をぐるりと結ぶ壮大なロングトレイル。
手軽なハイキングコースから本格的な山岳地帯まで、変化に富んだコースが魅力です。

九州ならではの文化や歴史、自然、そして人々。歩くことでしか出会えない感動のドラマがあなたを待っています。

祖母山は標高1,756m、宮崎県の最高峰で日本百名山の一つでもある。
「九州自然歩道祖母山コース」は、高千穂町の北谷登山口をスタートし、宮崎と熊本・大分の県境沿いに山頂まで続く「千間平コース」と呼ばれる登山道。
頂上には山々を見下ろす絶景が広がると聞き、心躍らせて登山道に踏み入った。

 スタートしてしばらくは、ハイキング気分で歩けるなだらかな道。と思っていたのもつかの間、杉木立の間を蛇行する急勾配の道が出現。3合目を過ぎて尾根に出るまでひたすら登り続ける。
 尾根に出てしばらく歩くと、道沿いの枝に意味ありげなピンクのテープと左に折れる道が。迷わず進んだ先には、息をのむような絶景が広がっていた。
阿蘇山、くじゅう連山を見渡すパノラマに思わず「ヤッホーッ!」

山頂にてのんびりタイム。祠には祖母山の名前の由来である豊玉姫が祀られている

赤・黄・橙、ここの紅葉の色彩は深くて濃い

 後ろ髪引かれる思いでその場を後にして、尾根を行く。尾根に出てからここまでは、ゆるやかなアップダウンの繰り返し。鳥たちのさえずりを聞きながら、森林浴気分でのんびりと歩く。
 そんな調子で7合目を過ぎ、木々に囲まれた道を行くとパッと視界が開ける。国観峠だ。いちめんのススキの向こうには、ちょうど紅葉のシーズンを迎えて色とりどりの祖母の頂が迫っている。
 国観峠を過ぎると、山頂まで本格的な登りが続く。9合目の標識を左に折れて「祖母山九合目山小屋」に立ち寄る。ここからは15分ほどで山頂だ。
 9合目で分岐した道と合流して間もなく山頂に到着。阿蘇山、くじゅう連山、由布岳、傾山、古祖母山。宮崎県で一番高い場所から見渡す風景に疲れも吹き飛ぶ。

日差しを浴びて輝く木々がまぶしい

目の前に広がっているのは、くじゅう連山

もう一つの登山ルート「風穴コース」

 下山は来た道を戻ってもいいのだが、せっかくなので、もう一方の登山コースである風穴コースを行くことにする。
5kmかけて山頂までたどり着くなだらかな千間平コースとは対照的に、3kmで登山口まで下る風穴コースの傾斜はなかなか急だ。道自体も岩場が多く、沢を越えたり、はしごを下ったりと表情豊か。
奥行きが20mある風穴に入ったりして、ちょっとした冒険気分を味わって北谷登山口へ到着。今度は風穴コースから登るのも面白いかも。

 ちなみに祖母山という名前、山頂の祠に祀られている豊玉姫が、初代天皇である神武天皇の祖母にあたることに由来しているという。神話のふるさと宮崎ならではの名前だ。

宮崎県自然環境課 TEL.0985-44-2624 高千穂町役場企画観光課 TEL.0982-73-1212 (一社)高千穂町観光協会 TEL.0982-73-1213

九州自然歩道 高千穂町・祖母山絶景山歩き

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