
九州屈指の絶景が待つ 秋真っ盛りの名峰を登る
1756.4m
朝晩の冷え込みが増し、秋の深まりを感じる11月初旬。
ちょうど紅葉が見頃のこの時期に、会社の先輩と一緒に祖母山を登りに来ました!
日本百名山の一つに数えられ、昔から地元の人たちの信仰を集めているこの山には、人々を惹き付ける魅力がたくさん。
どんな出会いが待っているのか、ドキドキの山登りスタートです。

思わず足を止めたくなる ポイントがたくさん
標高1756・4m、宮崎・熊本・大分の3県にまたがり、頂上からは阿蘇山や九重連山など、九州の名だたる山々を見渡せる「祖母山」。
この山には、宮崎県側と大分県側、合わせて3つの主な登山口があるが、今回は山頂に一番近い宮崎県側、高千穂町の「北谷登山口」から頂上を目指す。
また、コースは登山口から右手に進む「風穴コース」を選択した。
まず目に入って来たのは色鮮やかに紅葉した木々。
耳を澄ますと近くを流れる沢の音や野鳥のさえずりが心地よい。
地面は落ち葉でふかふかしていて、傾斜もなくとても歩きやすく、ハイキング気分でどんどん歩を進めていく。
歩き始めてしばらく、「なんだ余裕じゃん♪」と楽観的だった数十分前の自分に教えてやりたい。余裕でいられるのも今だけだと…。

倒れた木々にはコケがびっしり。モフモフしてきもちい~
2つ目の沢を渡った辺りから周りの景色が激変。
背の高い針葉樹が立ち並び薄暗い雰囲気に。傾斜も急になり息も上がってくる。
「こ、これはきつい…!」。
それもそのはず。
この「風穴コース」は、距離は短いが急な斜面や足場の悪い場所が多い難易度高めのコースだったのだ。
登りがしばらく続いた後、さらに現れたのは、行く手をはばむかのようにそびえる岩々。途中には危険防止のロープが付けてあり、より険しさを物語っている。
「これを登るのか…?」。
この時点でちょっと引き返したくなったが、先輩からの後押しを受けて、ロープをグッと掴み岩を踏ん張ってよじ登る。思ったより容易に登れてひとまず安堵。
斜面を流れる沢に沿って岩場を登り進んでいくと、突然明るい日差しが差し込む場所に出た。そこには思わず感嘆の声が出るほどの美しい景色が広がっていた!

澄んだ青い空をバックに、赤やオレンジ、黄色に色づいた木の葉が太陽の光でキラキラ輝いて、まるで繊細に描かれた絵画を見ているかのよう。
これを見るためにあの難所を乗り越えてきたのか!
しばしそこで景色を堪能したり、写真を撮ったりして疲れを癒した。
大自然の厳しさと たくましさに感動
その後も、ロープとはしごで登る難所が数カ所あり、だんだん自然のアスレチックのように思えてくるが、そんな時こそ慎重に一歩一歩確実に進む。
山頂が近づくと、その足取りは軽やかに。
最後の急斜面を登りきってついに頂上に到着!

「やったー!」。
山頂からは周囲の山々を見下ろすことができ、こんなに高い山に登ったのかと改めて実感が湧いてきた。
疲れて食べられないかも…と思っていたご飯も、すばらしい景色のおかげでモリモリ食べてしまった。

待ちに待った頂上でのおやつタイム! 「道の駅高千穂」で買ってきたお菓子がたくさん
お弁当とおやつでエネルギー補給したら、なだらかだけど距離の長い「千間平コース」で下山開始。
風穴コースほど厳しくはないが、高い段差や土がぬかるんで滑りやすい箇所が多い。
木の幹や枝、岩に掴まりながら慎重に下っていく。
どっしりとした佇まいの太い木や大きな岩は、しっかり掴んでも、体重をかけてもびくともしない。なんてたくましい大自然。

神武天皇の祖母・トヨタマヒメが祀ってある祠に、無事頂上に着いたお礼と下山の安全をお祈り
神々の伝説が残る山だからか、どこか神聖な空気に満ちていた祖母山。
百名山を登りきった達成感と、他の季節はどんな表情を見せるんだろうと期待感を抱きながら山を後にした。

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